創作百合小説を百合っぷるに頒布してもらうとはこんなに楽しいことだったのか。

あけましておめでとうございます。
今回はコミックマーケット92のアフターレポートです。

我がサークルスペースに百合っぷるがやってきた話をします。
サークルスペースとはコミケット即ちコミックマーケットにおける頒布領域のことで、ここで語るコミケットとはC93のことを意味します。
今回のコミケット、私は創作百合ジャンルでサークル参加させていただきました。
百合が好きだし百合が読みたいし百合が書きたいからです。
ただ頒布にあたりどうしても助っ人が必要でした。
コミケットは周知の通り過酷なイベント。夏は暑くて冬は寒いのです。
何を言っているのかあたりまえのことを、と思われるかも知れません。
三日間でのべ五十万人が集う国際展示場という特殊な場所において、盆暮れを費やして消化される「季節」の「存在感」とは花鳥風月とか風流とか風雅とかそういう存在ではないのです。
コミケにおける「季節感」とはコミケが打ち立てられて初めて日本人が体験するであろう刺激に溢れているのです。
もう「夏」といったら「人が多いし暑いし臭い」を意味するし、「冬」といったら「海沿いの広大なコンクリート空間に暖房装置もなしに放り込まれ時間帯によってはシャッターが『開かれ』凍てつく風に晒される」を示すのです。
コミケには四季なんてありません。季節は二種類しかないのです。
前回、「夏」の側では売り子さまに恵まれたのですが今回の「冬」では売り子招致に困っていました。
そもそも自分にまず友達が少ない。オタクの友達となると更に少ない。
もう不惑を迎えた独身のレズビアンが売り子に恵まれるわけがないのです。みんな結婚して東京都下のマンションで家庭を築いて立派にやってます。年々届く年賀状も減っています。
私が神絵師ならコスプレ売り子さんを招致できたのじゃろうか…。
いや「創作百合」におけるコスプレってなんじゃろう。
創作百合で売り子を頼むなら百合っぷるに頼むしかないだろうけど知り合いのレズに同人誌即売会の売り子頼めそうなタイプがおりません。仕方ない。数時間愛○星夜の話を拝聴する耐久レースを覚悟しかけていたのでした。
しかし不意にそのひらめきが舞い降りたのです。

いるではないですか。いるのです。
コスプレではないがこれ以上ふさわしい二人はいないであろう創作百合ジャンルの売り子に適した百合カップルがフォロワーさんにいるのです。
それがこのお二人、創作百合写真を撮影して活動されている「lovelyChuChu2」の陽姫さんと月音さんです。端的に言えば女神なわけですが…

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創作百合写真の活動をされている方は一人や二人ではないし、既に著名な創作百合写真の撮影家もいらっしゃる。
そうした創作百合写真の被写体。
これ以上創作百合スペースの売り子に適した存在はいないのでは?
被写体である方にフォローしていただいているという光栄に既に私は浴しているではないですか。でもご迷惑ではないだろうか。そしてお願いするのすごく恥ずかしいよ…嫌われたら…どうしよう…どうしよう…なんてこだわっていられるほどの時間はもう持ち合わせておりませんでした。
いいとか悪いとか恥ずかしいとかそういう場合じゃない。
天使二人に早速DMしたところ、なんということでしょう。
お二人はご了承のお返事をくださったのです。

軍人百合も好きな女の子二人とですよ。
そんなお二人とすごせる冬コミが約束されたのです。
それだけで諸手をあげて喜びたいのですが、事前に二人からDMが届きました。
当日の服装はどんなものがいいかという確認でした。

選択肢その一は「色違いのワンピース」。
その二は「甘い×クールな服装」という内容。

えっ、選んでいいでござるか、拙者が…ふぉあ…ぶひぃ…
お心遣いの細やかさに合掌しながらも苦悩します。
だって選べますかねこれ。半分キレそうです。色違いの双子感をかもし出される百合も好きだし、甘い×クールな服装とかもう大好物じゃないですか。選べない選べない。ちょっと遺伝子研究して二人を四人に増やしてくるから全部着てきてほしい! あっ! でもそうするとサークルチケットの数が足りなくなるから(三枚まで)最終的にあぶれた一人と私が一般参加で並んで待機すればいいのかな?
迷いに迷って、サークル名が「甘辛パラダイス」なので統一しようと甘い×クールを選択させていただきました。いや、めっちゃ嘘です。私がそっちを好きなだけです。

楽しみで楽しみで眠れず、準備は押す一方で実際眠れずに最悪のコンディションで迎えた12月31日。私は待ち合わせの時間に大幅に遅刻をしました。すごく最悪です。遅れるなんてせっかくご降臨くださる天使に対して私は阿呆か。悔やみながらも連絡をして駅のホームで待ち合わせると二人は笑って迎えて下さいまいた。謝罪するもそもそも怒っていらっしゃらず、待ち時間寒くなかったか尋ねるもスープを飲んで待っていたそうでして、大人な対応で本当に助けられました。っていうか二人の喉を暖めるスープが羨ましいです。

まあ本音はとして、写真や動画で拝見したことはあるのですが、ちょっとは工作してるんじゃないのか? とか思うじゃないですか。違うんですよ、実物も素でかわいいし動画や写真よりかわいい。美しい。怖い。何この二人の輝きやばい。スペースにこんな美女二人がいたら私閉場時間には正気を失っているのでは?
私、どうしよう…恥ずかしい…何でこんなオタクがこんな美人二人を呼んじゃったんだろう…と劣等感にさいなまれるような年齢でもないのでテキパキとなんやかや自己紹介してりんかい線へ搭乗。国際展示場駅へ移動。年をとるって素晴らしい。

陽姫さんは声がかわいくて顔もかわいくて全体的にかわいいの…
月音さんは凛々しくてスレンダーで動作がタチの雰囲気に溢れたイケ女ンだよ…
本当にありがたいと思いながらも実務的な話をしたり仮眠をとらせていただいたりと臨戦態勢を整えていきました。

会場への移動中、ふと気になったのでお二人の関係性を尋ねてみると、なかなかはっきり教えてくれないので逆にどきどきしてくる。月音さんの返答のはっきりしないところを見てこれ以上問うのをやめようと諦めかけると「セフレなんですう」と甘い声音にふさわしからぬ単語をぶちこんでくる陽姫さん。陽姫さん? 
どちらかというとまじめに見える陽姫さんがいうとしゃれに見えないからやめてっていうかそんなかわいい声でセフレとかいわれると眠れなかった脳内のクラムボンがかぷかぷ笑っちゃうよぉ…
その後も月音さんがモテて大変でやきもちばかりやいてしまう、大変、といったことを陽姫さんから聞かされる。
ははーん、私、あてられてるな? もっと聞かせて…嬉しい…
夢にまで見た「百合っぷるのネコの側の愚痴を聞かされる友達」のポジションを私は今体験している…? 
多分これあとで売り子という依頼だけですまないオプション追加の高額請求がきて同人活動終了に追い込まれる…?
どこまで本当か嘘か冗談なのかわからないままに「いい目覚まし」を頂きつつも夢見心地という不思議な状態で入場。

すべては私の不手際ですが、入場には間に合うも引き取りに遅刻してしまったことが判明。一旦、新刊だけを広げることに。
そこで私は陽姫さんにクロス敷きと留守番を頼み、月姫さんに荷物引取りをご一緒にお願いしました。
スペースの留守を守る陽姫さんの姿は完全に月姫さんの留守を預かるかわいい奥さんだったし、共に連れ立っていこうとしてくださる月音さんの姿は完全に仕事に赴く陽姫さんの配偶者…☆
なんだろうこの、夢いっぱい☆百合空間☆みたいな現実…
私、りんかい線に乗っているうちに死んじゃったのかな…
一瞬一瞬を撮影したい…
いや、けれどまわりのサークルさんに迷惑だから撮影できないしそんな時間がないのが悔やまれるしでもすごいありがたいし尊いしありがたい。もうとにかくイッパイイッパイでした。

移動しながらも月音さんとしばし雑談。
普段はどういうお仕事だとか、そういうお話などをする。
(後で聞きましたが二人の素性は各々ふさわしく、その関係性がまた…内緒だけど何そのそれ…かっこいい…っていう感じでした)(内容のある言語が発話できないなら黙っていよう!)
その合間に会話のノリなのか「こさめさん、私を好きになってくださいよ」と言い出す月音さん。頭の中でオプション料金が加算されていく。すいません、月音さん…私に払いきれない額以上のサービスは困ります。本当に始末に追えないクソレズを演じてくださってありがとうございます。口座番号を教えてください。
後で陽姫さんに言いつけちゃいますよ! 的なことを返しながらも、ああ、私は今立場的に「後でネコといちゃつくためにクソレズにダシにされるモブ」の役割を与えられている…と陶然となりました。五万でいいですか?

何度か外とスペースを行き来しつつ、お二人に新刊の帯を巻く作業をお願いする。
大変嬉々として折ってくださる二人がすごくかわいい。かわいい上に、少ない時間のなかで本当に的確に作業をこなしてくださったお二人に感謝です。そしてこんな手落ちばかりの変態がサークル主で申し訳なかった。

 

開場してからは早速買い物やご挨拶などに出かけたのですが、その間にもスペースでお二人が売り子をしてくれているのだと思うだけで幸せ。戻ってきて入れ替わりで二人が仲良く連れ立っていくのを送り出すのも幸せ。果てには陽姫さんのワンピースのリボンを月音さんが直す場面があり、私の口座からはオプション料金十五万円が引き落とされることが確定されるのでした。
創作百合小説を百合っぷるに頒布してもらうとはこんなに楽しいことだったのか。
創作百合小説を百合っぷるに頒布してもらうとはこんなに楽しいことだったのか。
良かった。
愛○星夜の話を聞かされていたかもしれない世界線の自分よ、さようなら。
今、私は女の子ふたりがいちゃいちゃする自スペに出入りするサークル主を楽しんでます。そんな余韻に浸りつつも、なんやかやで新刊はいいペースでお迎えされていきました。(ありがとうございます!)

一方でお二人はコミケ初体験ということで、新鮮な反応もちらほら。特に出際には凛としていた月音さんと宅配の荷物のあれこれで出歩いているうちに、彼女が次第に形成される列に青ざめていくさまが面白かわいかったです。
「こんなに人が…イエーイ!とか、わー!とか言わず無言で…」
ツボにはまったのか笑い出す様が新鮮でした。
そうだよ。
オタクというのはね、イエー! とかウェーイ! とか騒ぎもせずにじーっと王蟲のように壁際に向かって黙って並んでいられることのできる群集なんだ。
そういえば自分も初めて三日目で男波を見たときは恐怖を覚えたことがあり、そのときのことを思い出しました。
しかしこんなに凛々しいのにちょっとヘタレな一面も持ち合わせているとか、ギャップの魅力が満載かよ勘弁してください。もう自己破産宣告を覚悟する勢いでその場に伏して御礼を言いたかったのですが、理性が若干保てなくなっている初心者相手にそのような奇行に走れば余計にストレスを与えてしまうことでしょう。頑張って己を保ちました。シャッター外の出店も新鮮だったようで、陽姫さんに報告しているさまが愛らしくて愛らしくて愛らしかったです。
二人を送り出してから、私はスペースの机の下の棚にしまわれていた自分のものではない同人誌に気付きました。
こっそりとえっちな百合本を入手していた陽姫さん…☆
良かった…! 興味ある本がみつかったんだネ…☆
今夜は月音さんと実践するのカナ…?☆
やべえな。帰りに秋葉原で盗聴装置とか入手できねえかなとか思うのも自然の摂理。
私は、百合を好きで良かったと思いました。(作文)

もう本当に一緒にいるだけで色んな仕掛けがあるの…

色んな仕掛けがあって油断ができない一日だったんです…助けて…

なんかこういうアトラクションないかな?

教室を模したカフェかなんかに入るとそこここに百合の形跡が見受けられて尊さで立ち上がれなくなるような、そういう百合ハプニングバーみたいなのがほしい…

いっそ私が起業してやろうかちくしょう…殺す気かちくしょう…

 

帰りはせっかくなのでシーバスに搭乗しました。
革張りの椅子はゴージャスなので三人で掛けたのですが、その配置が良くなかった。
私が真ん中に座り、両隣にお二人が。
「好きなタイプは?」などと聞いてくる陽姫さん。星座占いの話ではしゃぐ月音さん。
完全にいかがわしいレズビアン専用キャバクラだよ、ここ。
ドンペリいくら注文すればいいの?
フルーツも食べる?
東京観光汽船はいつからこんなサービス始めたの?
ここはシーバス…だよな?
お二人は実際もう本当にその手の仕事で食っていけそうだし、私は口座も閉鎖されているので自宅を担保に出すしかないけどそれでもいいか。
ホステスレズビアン、しかも上級の売れっ子バリタチだけどちょっとヘタレ☆な月音嬢と、天然スイーツなのにたまに恐ろしいことを言ってくる陽姫嬢に囲まれ、ただただありもしない金を自己投資もせずレズサロンのトップ2な二人にぶっこんでしまう不惑オタク廃課金レズ自分みたいなものを発見して、いやこれ今日はコミケで二人は売り子だったからいいけど将来的に本当にこういう店できたらやべえな…とひしひしと危機感を覚える年の瀬でした。

しかも帰りのりんかい線で陽姫さんのお顔(髪?)のごみをとってあげる月音さんという構図が席の配置的に私からは二人が甘いキッス(80年代の表現)をしているようにしか見えなくて…
ついに私は家も財産も失い路頭に迷うことになるのでした…
ありがとうございました…

ご馳走様でした…

 ☆

実質、創作百合ジャンルで創作百合の被写体さんを招致する試み自体をしているサークルさんを見たことはないのでかなりな勇気がいりました。でも、お招きしてよかったです。
実写とアニメや漫画は別! と考える百合好きさんも中にはいそうですが、参加者さんや周囲のサークルさんの反応も悪くなかった。
月音さんや陽姫さんにとっても緊張することが多かったかもしれませんが、楽しんで下さったようで良かったです。良かったらまたいらしてほしすぎる。
美しい二人に遭遇できた一般参加者さんの感想も知りたいところです。


陽姫さんと月音さんに心より感謝申上げます。

個人的には今回のイベントでは自分の反省点が多く、なんだかんだお二人への事前アナウンスも不足していた感もあり申し訳なかったこと(でもお二人は終始優しかったしずっと楽しそうにしてくださったし合間合間に「初めてのコミケ」をお二人なりに楽しんでくださっていたようで良かったですしかわいかった)、サークル遅刻はしていないものの宅配の引き取り遅れや尊敬する作家様方へのご挨拶が充分できなかったこと、っていうか徹夜は個人的に最大タブーだったのに時間がなかったこと、次回以降は改めたいと感じました。

そして! コミケットにおいて、私の創作物である家電レズや腐女子百合を入手しにきてくださった参加者の皆様に、心より御礼申上げます。

そんな感じの我がサークルですが何卒本年も宜しくお願い申上げます。