【R18】ゆりんゆりんな創作百合電子書籍の表紙を依頼する前に牛車を見てきた話(この記事はEnty無料会員向けの記事の再録です)

その日も私は悩んでいました。

「百合えっち☆」シリーズ第一弾「百合えっち☆濃艶の姫は牛車に揺られての表紙イラストを絵描き様に依頼したい。

しかし、依頼と言っても牛車の絵の作成依頼なんぞしたことがありませんでした。

まさか生きていて牛車の絵の依頼をする…なんて事態が発生するなんて考えたこともありませんでした。

しかし私は百合えっちの舞台として選んでしまったのです…牛車を。

話すと長いのですが牛車って百合の発生する場として最高では? という想いにとらわれてしまったのです。

けれども牛車の資料集なんて紀○國屋書店でも密林でも扱っていない。

このままイラスト依頼を諦めてしまうしかないのか…?

とぼとぼと道を歩いていると…

ん…?

何これ…?

ごらんのように本当に道端にそれはありました。

この立て看板…神社からのお知らせであるようです。

それは一瞬で自分の悩みの解決方法が具現化して目前にあらわれた瞬間でした。

何これ…何これ何これー!? すっごーい!!

「牛車巡行のお知らせ」----!!?!?!?

すっご…いや、待って。怖い。

ニーズにマッチしすぎる。

普通、そんなにほいほい牛車が巡行したりはしないと思う…

牛、そんなに巡行しないと思うんですよ。

普通の人は「牛車の取材がしたいなあ…巡行しないかなあ」なんてこと考えながら道を歩かないと思うんですよ。あまりに個人的な願望にマッチしすぎていてこの立て看板を見つけたときは絶句しました。

本当に…牛が? 巡るの? 巡っちゃう? 牛?

そんな…一体…誰が…私を陥れようとして…?

そんな疑心暗鬼に陥るのも仕方ないほど。

結論から言うとすっごくラッキーな出来事だったようです。

その後調べたところによると実際牛車の巡行というのは京都などでもそうそう行われる行事でもないらしく、千載一遇の機会だったようです。

まさに神の恵みでした。

とにもかくにも、これで取材ができてしまう。

撮影もできてしまう。

なんということだ。

画像撮影して絵描き様に画像提供ができる…!!

どうやら調べてみるとある神社の神事として牛車の巡行が行われる模様。

当然取材することにしました。

 

 

牛車百合などというよくわからない作品を創出した私には多少なりともリアリティのある表紙をつけたいという想いがありました。

日頃ライター活動として様々なイベントに出向くことはありましたが、個人的な趣味で牛車を取材するのは初めてです。

本当に…本当に牛車が見れるのだろうか。

チャチだったらどうしよう?

っていうかまずあの立て看板…

本当に私以外の人に見えている?

ポケモンGOのやりすぎでは?

などと当日まで不安がいっぱいでした。

そして私をおびき寄せようという罠である可能性も若干否めないほどの幸運…心して向かわなければ。枕元に用心のためのベレッタ92を用意して眠りにつきました。

 

 

そして当日、伺ってみると…

そこにはあの夢にまで見た乗り物が!!

…などと高級車の謳い文句を真似たキャプションをつけてみましたが、本当にありました。私は見たんです…牛車を! この目で!

まだ出立前の準備段階で牛も備わってはおらず(?)

まじまじと眺めてしまいました。

しばしご覧ください。

これが牛車のすべてです。

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これがSYARIN…Syarin of Gissya!

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これが…Usiro of Gissya!

そしてこれが…!!

Naka of Gissyaだ!!!!

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KAKKOIIIIII!!!!!!!!!!!!!!

 

 

牛車ってかっこいいんですよ。

なんかもうまじまじと見てしまう。

なんかもう…まじまじと見てしまうんですよ。

実は外観をみまわっているあたりで百合えっち☆の舞台の取材というところは若干失念しておりました。

ただこのNoG(Naka of Gissya)を一見したところで、あ、これは百合えっちのために誂えられた乗り物だなと学者面で我にかえりました。

これは何としてでも持って帰らねばと熱心に撮影しました。

しかし、牛車のポテンシャルはこんなものにはとどまりませんでした…

私がそこで見たものとは…!?

前回に引き続き今回も牛車ゆり本の表紙の作成裏話をお届けします。

牛車の取材先で私が見たものとは…

こちらでございます。

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そう、牛です。

すっごいな。

いや、案外ね。いないと思いますよ。牛。

都内ではそこらへんにそんなにたくさんいるわけではないんです。

大人になってから見ても、それなりの大きさの生き物ってすごく迫力ありますね。

しかもトラックの中でこちらを見ているので、怒っているように見える。

ただ恐らくは大切に扱われている牛ですから、知性がありそうにも見えるんですよね。

神性が宿っているような。

人体くらい大きい動物に遭遇すると、何でか、自分なんかよりも賢そうに見える。

ごらんになってください、この目。

赫怒と悟りの宿ったような不思議な目です。

叱られたような心持になります。

実際不謹慎な心がけできているわけですから。

実際にはお祭りの場ですから、取材なんて不謹慎ですから。

周りの人たちの話が聞こえてくるんですが、この牛はやっぱり神社の宝物で普段は神社で飼われていると。

都内でもそういう具合に動物を飼っているところはありますから、れっきとした神様なんですよね。

 

何かこうすっかり毒気を抜かれてしまうような感覚がありました。

 

で、もう少し見ていたかったんですが車体も観覧できたし巡行そのものは見ずに取材を終わりにしました。

今考えたらもう少し滞在してもよかったんですが。

今度またゆっくりと見に行ってみたいものです。

 

どんなものでもそうかもしれませんが、取材って書く前にしちゃいけないんじゃないかってことがあります。

もう書き切れない現実を体感してしまうこともある。

こういう牛の神聖な目を見てしまったら萎縮して書けない場面もあったかもしれない。

 

ただ自分は不謹慎ですから気にせずに書くかもしれませんが、それでも何か違った厳格なものになってしまったかもしれないとも感じます。

 

京極夏彦先生のトークイベントに行ったことがあるんですが、先生は取材をする前に書いてしまうようで、それだけ脳でかける方はそうなんでしょう。一方でドナルドキーン先生のトークイベントにも行ったことがあります。そうしたら三島由紀夫は必ず事前に取材をしたそうです。文学とエンタメの違いかもしれませんけれども、確かに文学の先生は体感が大事かもしれない。でもそれで命を削ってしまう人も多いので文学はちょっと毒なんだと思います。

 

閑話休題

で、肝心なのは絵です。普段から牛車描き慣れている絵描きさんなんていない。しかし私には心に決めた人がいました。

この作品の表紙において、平生は戦車と女の子の出てくるアニメの二次創作などをされている…特に自動車部のあの色っぽい子をよく描かれているちまき様にイラストをお願いしました。ちまき神様は普段は二次創作などで戦車を描いていらっしゃる。それなのに牛車を描いてくれみたいなことのためにお出ましいただくよう儀式を開き召還するには、確かに心理的ハードルがありました。なかなか一歩が踏み出せませんでした。けれど、ちまきさんの絵の精巧さとリアリティある表現に魅了されていたので是非にと禊を行い祠の前で私は一晩祈り願い踊り狂いました。

そしてついにある晩、祠がき…

 

よしましょう。

なんていうか、普通にメールでお願いしましたところちまきさんは即決快諾してくださいました。本当に感謝しています。レスポンス早かった…!

 

で、なんやかや依頼する上でご意思を確認させて頂き、牛車の画像やお願いしたい構図を差し出したのです。

自分で言うのも何ですがひどいラフです。

百合えっち☆シリーズの記事第二弾で詳しくお見せしますがひどい絵面です。

ここからここまでは人体で。ここからここまでが無機物です、というくらいの指定です。ひどい。しかし、私には強力な味方があるのです。資料画像をお付けしました。

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実際に依頼した資料画像そのままではありません。

 

撮影資料があって然るべきではあるんですが、そんなにうまい撮影でもない…

きっと資料として至らない点もあったことと思われます。

ちなみにこの画像は先般の記事の画像と違って幕がついた状態の牛車です。

Maku Of Gissya…

これこそが私の求めていた百合です(?)

このやんごとなき乗り物の幕から覗くものが百合えっち☆であってほしいという願望が伝わりますでしょうか?

 

本題に入りましょう。

絵がうまい方というのはすばらしいです!

あがってきたラフを見て拝みたくなりました。この話はテーマが主従関係ですから、それとわかるようなお姫様抱っこ(まではいかないけれども)な構図をお願いしました。

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既に雰囲気出てるーーー!!!

主人公もお姫様も素敵!!!

これが…イラストレーターさんのもつスタンド…!!!

足の甲とかから既に色気が漂っていらっしゃる。

ちなみにこの物語は偏狭の地で娘たちに性の教義を施す女・雲集(うんしゅう)おきてが、ある夜、王宮の姫に遭遇。その素顔と裸身を直視したことにより死罪に問われるが、姫はおきてを王都へ連れて行くと言い出して…という恋愛ADV百合版(?)、といった内容でございます。

お姫様抱きしている側がおきて、抱かれている側がお姫様です。

 

さて。

このラフにありますように、『色はまだ仮あて』の状態。ラフや資料とともに指定をさせて頂く上で色をどうするかということは重要でした。

 

これだけいろいろと取材しておいて何なのですが、依頼する上ではそんなにリアリティを追求しない方がいいだろうなという気持ちが自分にはありました。

というのは、描き手のちまきさんの絵は精巧です。ご本人の視覚とか空間能力が高いのだと思われる。二次元でなくて三次元で把握してイラストを描かれているような雰囲気があります。私はそこに魅力を感じ、またこの『牛車』みたいなわけのわからん私の願望の詰まった、けれども実在する素材をリアルに描ききってくださるだろうと期待をよせました。

 

この作品の目的としてリアリティがほしいと思っていました。

けれども、あまりに画像のままだと幻想的ではなくなってしまうのではというのも私の臆するところでした。

キャラクターの衣装やポーズや世界観についてちまき神とメールでやりとりをしまして、基本的にキャラクターや世界観はもともといい加減なものなのでそれほど緻密でなくていいですとお伝えしました。

あまりに具体的にしてしまうとその史実に詳しいファンというのが必ず出てくるわけで、そうなるといい加減な設定なのでご指摘を頂いてしまう恐れがある。それは避けたいと。

逆にそうした一定数のファンが喜ぶようなものを作りこむこともできたのかもしれないんですが、この話のタイトルには「百合えっち☆」とかついてる…ん…だぜ?

そんないかめしいものではない。

通勤途中や仕事の合間にちょっと読めるようなニュース記事とは異なっているものなのです。

頭を使わずに。

そう、たとえば…

 

----ここからは暇な方だけお読みください----

 

休日の昼下がりに昨夜は飲みすぎたOL(23-26才)が気だるく起き上がり水を飲み干し、けれどもだるくてベッドに横たわってしまう。

誰かから連絡がこないかとスマートフォンを眺めてみても家族からのLINEと仕事のメールだけ…

そんなアンニュイな午後、ちょっとエッチな気分になったときに彼女がおもむろに求めるアダルトな世界…

えっ…

百合…?

こんな世界が…?

そして…

牛車…?

牛車って…こんなもの…だったの?

こんな風に…使うの?

 

----そもそもこの記事を読まれている時点でお暇なのだと思われますがご一読ありがとうございました----

 

…みたいにですね。

私は私の作品を特に妙齢女子のオカズとかにしてほしいんですよ。(はきはき)

 

表紙のからいろいろ読み取れることが逆に読み手の負担になってしまう。

それを避けるためにとにかく情報量を少なくして頂きました。

 

なるべくキャラの個性は省いて抽象的にイメージをお伝えしました。とにかく明るくてかわいくてゆりえっち☆ なイメージで、と。ただ、牛車そのものはそのままの車体デザインで、色合いを幻想的に、と。

かなり具体的なような抽象的な依頼でお恥ずかしいことでしたが、ちまきさんは意図を汲んでくださいました。それがこちらです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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もう…

ふぁーーーーってなりますよね。

空前絶後、絶句しますよね。

依頼してよかったと。

尊い…!!!!!!

 

私がこだわったのはとにかく色合いの明るさと、女性が喜びそうな雰囲気であること。内容は官能小説ですが、私は女性に読んでほしいんです。

牛車って実際にはこんなにキラキラしているはずがないんですが、御簾や飾りの部分をかなり明るい色にしてくださったことでお部屋感が出たと思います。

そしてとにかく線が緻密ですから、いい感じにリアル。

でも、本当にはこうしたものはおそらく存在しないんです。

ありそうに見えるリアリティがありながら、実在しない。

そういう表紙がほしかったので、もう文句ございませんでした。

姫とおきての表情も指定通りでありがたく感じました。感謝です。

 

お祭りに使う牛車なんかは派手なものもあるようなんですけれども。

牛車を舞台に据えた理由は密室感があることや、移動すること、外との境が曖昧であることなど、そのスリルが官能的だなという理由からです。そうした要素を本編で生かしきれたかはわからないんですが(というのは、起承転結がすべて牛車の中であるはずがないので)、物語の総観をあらわしてくれたとも思います。

 

この作品はこの先製作していく『ゆりえっち☆』シリーズの礎になってほしいという気持ちがあったので、あまり具体的にしたくなかったという気持ちもあります。

そこから先に続くものがありそうなイメージにしたかった。

 

もちろん、もう少し作りこみたいとか勉強したいという欲もあるんですよね。

でも、この作品はこれくらいシンプルでいいなという感じでお願いしました。

実はちまきさんは二次創作を見ているだけでもわかる熱心な方で、衣装や道具について細かい設定があるかといったことをご確認くださいまして。

個人的にも色々の資材を紐解いてみようかとも思いましたが、それは「欲」であると感じて、とにかく官能小説であるということを重視して、そうした指定は避けさせて頂きました。ちまきさんとは、また全年齢向けにしろ18禁にしろ、先々余裕ができたときに、そういうお仕事ができたらいいなとも思っています。(私信か)

 

ふわっとした指定ばかりしてしまったんですが、ちまきさんの画力をお借りできたこと、それそのものに意義がございました。

 

ちなみに!

この作品、表紙ロゴもちまき神が作成してくださいました。

なんという心意気。本当にありがとうございました(私信)

 

装丁作成の解説といいながら絵描きさんへの愛を綴る記事となりつつありますので、このへんまでで。

表紙の最終形態が気になる方、「百合えっち☆濃艶の姫は牛車に揺られて」(百合えっち☆シリーズ)が気になる方は下のリンクからご購読いただけますと幸いです。

 

著:玉置こさめ 作画:ちまき様

「百合えっち☆濃艶の姫は牛車に揺られて」(百合えっち☆シリーズ)  

https://www.amazon.co.jp/dp/B01IAIH1FA

 

ちなみにちまきさんはツイッターやってらっしゃいますのでご興味ある方はぜひ!

https://twitter.com/U9Works

 

余談ですがこのイラストがつく前はこんな感じでテキストのみの表紙でした。

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これはこれで面白いかなーとも思います。ただやっぱりなんだか絵がほしいですよね。実際これくらいの情報量のテキストとイラストをうまく組み合わせた表紙っていうのをやってみたいのですが…それは先の課題としたいと思います。

先般のようにリリース時点でイラストをつけず、一定数の人気を得たらイラストを依頼する方式、というのは今後も続けていきます。

「持っている本の表紙がいきなり変わる」なんて電子書籍にしかできないことです。この独自方針は『百合えっち☆』シリーズにおいて今後も継続していきます。

面白い時代に生きていてよかったです(世間話か)

 

 

ご興味持たれた方はkindle販売中の『百合えっち☆濃艶の姫は牛車に揺られて』をよろしくお願い致します。18歳未満はだめですよ。ここから買えるよ!